Health Running Training

クールダウン(アクティブリカバリー)の効果【科学的根拠あり】

クールダウンの効果を知りたい人
「トレーニングの後にクールダウンをした方がいいってよく言わせるけど、本当に効果あるのかな…。クールダウンの効果について知りたいです。」

こんな疑問に答えます。

こんにちは。キクチです。
ランナーのみなさん、トレーニングした後ってクールダウンしてますか?

そもそもクールダウンってなに?という方のために解説しておくと、

クールダウンはアクティブリカバリーとも呼ばれ、高強度のトレーニングをしたのちに、軽度の運動を続けることです。
心肺や呼吸を整えたり、疲労を軽減するために行います。

でも、クールダウンってどれくらいしたらいいかあまり研究が進んでいないんですよね。
ウォーミングアップに関する研究は結構あるんですけどね。

今回調べた結果、効果的なクールダウンがわかってきました。

先に結論をお伝えすると、効果的なクールダウンは

  • 普段のJOGの80〜90%のペース
  • 時間は10〜20分程度でOK

です。

今回はそんなクールダウンについてまとめてみました。

効果的なクールダウンは10分程度でOK


2017年のオーストラリアから発表された論文によると、9人の男性にレッグプレスやランジを実施した後に2パターンのリカバリー法を実施してもらい、その後に被験者の炎症レベルを測ってみたようです。

2パターンのリカバリー法は

  • 1.10分間水風呂に入る
  • 2.10分間エアロバイクでクールダウンする

リカバリー後の結果は

  • 1.水風呂もクールダウンも同じくらい炎症レベルが減少
  • 2.主観的な痛みも同じくらい減少

という結果のようです。

普段、トレーニングが終わった後に水風呂に入るのはなかなか困難ですので、必ず10分程度のクールダウン(アクティブリカバリー)を取り入れるとよさそうです。

参考文献

The effects of cold water immersion and active recovery on inflammation and cell stress responses in human skeletal muscle after resistance exercise

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効果的なクールダウンは普段のJOGの80〜90%のペースが目安


米国運動協議会(ACE)で発表されたデータです。

この研究は3つの実験で構成されています。
1つ目の実験は持久力トレーニングとクールダウン(アクティブリカバリー)の関係を調べています。

まず、15人のランナーに呼吸が上がるくらい走ってもらい、1時間休憩。
その後に休憩前と同様に走ってもらうというシンプルな実験。

このとき、休憩方法が2種類あり、

  • ・15分間ゆっくりジョギングをした後に、45分間なにもせずに休む
  • ・60分間なにもせずに休む

で、その差について検証。

2つ目の実験も1つ目の実験と似ているのですが、高強度のサイクリングで実験しています。
そして、今度は持久力とパワーがどれくらい変化するのか検証しました。

結果は

持久力 パワー
アクティブ
リカバリー
4.1%
低下
0.8%
低下
普通の休憩 11.8%
低下
5.7%
低下

これだけ差があるなら、クールダウン(アクティブリカバリー)は実施した方が良さそうですね。

3つ目の実験ではどれくらいクールダウンすべきかを調べています。

実験方法は

    ランナーに全力ダッシュしてもらったのちに

  • 1.普段のJOGのペースで20分クールダウン
  • 2.普段のJOGの80〜90%のペースで20分クールダウン

その結果、普段のJOGの80〜90%のペースでクールダウンした方が効果的だったことがわかりました。

ポイント練習など高強度の運動をしたら、すぐにクールダウンした方がよさそうですね。

参考文献

THE SCIENCE OF POST-EXERCISE RECOVERY

ただ、クールダウンは24時間後の疲労感が高まる可能性があるという研究もありますので、やりすぎに注意です。

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もっとも効果的なのはクールダウンよりもマッサージ


2018年のポワティエ大学の研究は、運動とリカバリーに関する研究99件を精査したメタ分析で、効果があるリカバリーについて検証しています。

どんな基準でデータを集めているかというと、

  • 運動後の筋肉痛、疲れ、炎症マーカーなどを調べている
  • 健康な参加者を対象に、リカバリー法の効果を検証している

調べたリカバリーの種類は以下の9つ

  • 1.アクティブリカバリー
  • 2.ストレッチ
  • 3.マッサージ
  • 4.コンプレッションウェア
  • 5.アイスバス(冷たい水に浸かる)
  • 6.交代浴
  • 7.電気療法
  • 8.全身冷却療法(-100℃で全身を冷やす)
  • 9.高圧療法(圧力を高めた装置で酸素を体に送り込む)

調査の結果

効果があったのは

  • ・アクティブリカバリー
  • ・コンプレッションウェア
  • ・マッサージ
  • ・水浴
  • ・交代浴
  • ・クライオセラピー

の6つで、すべて筋肉痛と疲労感に効くみたいです。

逆に効果がなかったのは

  • ストレッチ
  • 高圧療法
  • 電気療法

ストレッチが効果ないのは意外ですね。
僕も走った後はクールダウンとストレッチをしているので、ちょっと衝撃でした。

ただ、ストレッチとマッサージを同時に行うとより疲労度の回復にいいっぽいです。

参考文献

An Evidence-Based Approach for Choosing Post-exercise Recovery Techniques to Reduce Markers of Muscle Damage, Soreness, Fatigue, and Inflammation: A Systematic Review With Meta-Analysis.

まとめ

研究の結果、筋肉痛と疲労感に1番いいリカバリー方法はマッサージのようです。
筋損傷の指標として用いられる炎症マーカーにおいてもマッサージが1番効果ありでした。

そして、ストレッチは効果ないという結果でしたが、マッサージと合わせて行うと相乗効果があるようです。
なので、ランニングの後はマッサージとストレッチに時間とお金をかけるのが1番よさそう

マッサージできるところはEPARKリラク&エステを使うと便利ですよ。

ぜひお試しください。

余談

ちなみに、クールダウン(アクティブリカバリー)をすると、「血液中のに蓄積された乳酸を除去するため、疲労が回復する」みたいなこと言う人いますが間違いっぽいです。
最近の研究で、乳酸は疲労物質ではなく、むしろエネルギー源であるという報告(日本語です)があったので読んでみるとオモシロイかもです。

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