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運動時における着圧ソックスの効果【科学的な根拠あり】

着圧ソックスの効果を知りたい人
「着圧ソックスを履くと、運動のパフォーマンスが上がるとか疲れにくいって言われるけど、本当のところどうなんだろう…?着圧ソックスの科学的な効果が知りたいです。」

こんな疑問に答えます。

こんにちは。キクチです。
着圧ソックスの効果に関して調べていたら、オモシロイことがわかりました。

実は、僕も着圧ソックスのヘビーユーザーです。
2019年の東京マラソンでもバッチリ使ってました(笑)

たぶんですが、ランニングやマラソンをされている方で、着圧ソックスを使っているという方けっこう多いんじゃないでしょうか?

メーカーやスポーツ用品店の店員さんからは

圧力によって血行がよくなり、パフォーマンス上がりますよ。

みたいなことを言ってるわけですが、それって本当なの?と気になって調べてみました。
だって、普通に考えて、圧力かけたら血管の径が小さくなって血行悪くなりそうじゃないですか?

そのあたりをいろいろと調べてみたので、この記事を読むと着圧ソックスの効果がわかると思います。

あらかじめお伝えしておきますが、すでに着圧ソックスを使ってる方はこの下を見ない方がいいかもです。

で、その着圧ソックスの効果なんですが、

結論からいうと、

着圧ソックスは

  • 運動パフォーマンスにはほとんど効果なし
  • 疲れの軽減には効果あるかも

ということが、わかりました。

参考文献

Compression Garments and Recovery from Exercise: A Meta-Analysis.

An Evidence-Based Approach for Choosing Post-exercise Recovery Techniques to Reduce Markers of Muscle Damage, Soreness, Fatigue, and Inflammation: A Systematic Review With Meta-Analysis.

着圧ソックスは運動パフォーマンスに効果なし


2017年にイギリスのセントメリーズ大学で行われた研究で、過去に行われた着圧ウェア実験から23件のランダム化比較試験だけを抜き出してデータを精査しています。

取り上げられた着圧ウェアの種類は、

種類 被験者数
タイツ 149
ストッキング 40
ソックス 44
腕スリーブ 71
全身タイツ 34
スリーブトップ 10

有酸素運動から筋トレまで各種エクササイズで検証してみたのですが、

着圧ウェアにその効果はほとんどなかったことがわかりました。

まったくないわけではなく、ほとんどないです。
(効果量 0.38 95% CI 0.25 - 0.51)

参考文献

Compression Garments and Recovery from Exercise: A Meta-Analysis.

筋トレから持久的なエクササイズにおいてパフォーマンス向上に効果はない

悲しいですね。
僕もパフォーマンスの向上をちょっと期待して使っていたのですが、科学に全否定されてしまいました(泣)
確かに世界陸上やオリンピックを見ても使ってる人ほとんど見ないですもんね。

着圧ソックスが強く締め付けようと、弱く締め付けようとその効果に差がない

「段階的に着圧の強度を変え、血流を促進します」みたいな文言も見ますが、この論文ではその効果を否定していますね。

ランニングにおいてはリカバリーに使ってもほとんど効果なし

サイクリングではリカバリー効果があるかもしれないと書いているので、トライアスリートが着圧ソックスを使用するのはアリかもです。

着圧ウェアの効果があったのは、筋トレ後のリカバリー


んじゃあ、着圧ウェアはまったくメリットないのかというと、そういうわけでもなさそうです。
もっとも着圧ウェアの効果があったのが、筋トレ後のリカバリーです。
着圧ソックスを使うとトレーニング24時間後の回復に効果ありです。(効果量 0.49)

この論文をまとめると、残念ながら「ランナーは着圧ソックスを使うメリットないよ」ということになります。

ちなみに他の論文でもランナーの着圧ソックスに関する実験があったので紹介します。

2015年にインディアナ大学が行った実験です。

16人のランナーを対象に着圧ソックスを履いてもらい、トレーニング中の酸素の摂取量などをチェックしたところ、

  • ランナーの酸素使用量は減り、動作にも変化が出た
  • 実際に走る能力などには何の変化も出なかった

という結果でした。

身体には何らかの影響をあたえていますが、運動パフォーマンスには効果なかったようです。

研究チームも

「下半身の着圧ウェアには持久走の能力を上げる効果はなさそうだ」

と断言しているので、ランナーが着圧ソックスを使用するメリットはほとんどないと言ってよさそうです。

参考文献

Lower-leg compression, running mechanics, and economy in trained distance runners.

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着圧ソックスは瞬発的なスポーツには効果あり?


2013年ドイツのヴッパータール大学から発表されたレビュー論文では、過去30件のデータを精査しています。

研究チームによると

着圧ウェアはバスケットのように瞬発力が必要なスポーツではパフォーマンスを高め、筋トレによる疲労の回復を早くする効果があるかもしれない。

と、言っています。

ただ、着圧ウェアはどうしてもプラセボ効果(思いこみ)を取り除くのが難しいです。
仮に目をつぶったとしても、ウェアを着た瞬間に着圧のものかそうじゃないものかがわかっちゃうからです。

そのため、この論文の研究者も

「本当に着圧ウェアによる効果なのかはわからない」

と、言っています。

参考文献

Bringing light into the dark: effects of compression clothing on performance and recovery.

着圧ウェアが血流に及ぼす効果

2013年ドイツのヴッパータール大学の他の研究では着圧ウェアと血流の関係について調べています。

健康な成人男性に着圧ウェアを着てもらい、高強度の自転車運動を行ってもらいました。
その結果、着圧ウェアでもそうじゃないウェアを着ても血流に差がなかったことがわかっています。

つまり、この論文から、着圧ソックスは血行促進の効果はないということが言えそうです。

参考文献

Squeezing the muscle: compression clothing and muscle metabolism during recovery from high intensity exercise

そのため、着圧ソックスは瞬発的な運動には効果があるかもしれないが、その効果はもしかしたらプラセボ効果かも?という結論に至ります。

なので、もしあなたのお友だちで着圧ソックスを使っている方がいらっしゃったら、変にこの記事のことを教えないようにしてください。
本人は効果があると思い込んでいるので、もしかしたらプラセボ効果によって何かしらのメリットがあるかもです。

ただ、着圧ソックスは疲れの軽減に効果あるかもです


ただ、先日紹介した論文では着圧ウェアが運動後の疲労感を軽減するのに効果があったと報告されています。

2018年のポワティエ大学の研究で、運動とリカバリーに関する研究99件を精査しており、運動後のリカバリー方法について検証してくれました。

この結果、着圧ウェアは疲れを軽減する効果があることがわかっています。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

そのため着圧ウェアはレース中よりも、睡眠中や部屋着として使うのが良さそうです。

着圧ウェアの中でもVENEX製の製品はリカバリー専用のコンプレッションウェアを提供してます。
僕も1枚シャツを使っているのですが、触り心地がサラサラしていて、とても快適に過ごせていますよ。

論文の内容から着圧ウェアが疲労回復に効果あると言っているので、ちょっとお疲れ気味のランナーの方は1着持っておくといいかもです。

VENEXの商品はこちら

まとめ

ということで、着圧ソックスの効果について調べた結果をまとめます。

  • 着圧ソックスは運動パフォーマンスに効果なし
  • 着圧ソックスの強さは関係ない
  • ランニング後のリカバリーで着圧ソックスを使ってもほとんど効果なし
  • 着圧ウェアの効果があったのは、筋トレ後のリカバリー
  • 着圧ソックスは瞬発的なスポーツには効果あるかも(プラセボ効果?)
  • 着圧ソックスを使っても血流は変わらない
  • 着圧ウェアは疲れの軽減に効果ありそう

という、結果になりました。

ランニング時に着圧ソックスを使ってもあまり効果は期待できなさそうですね。

ただ、トレイルランの時は木の枝や葉っぱから肌を守る意味で使用したり、冬のレースで寒さ対策として着圧ソックスを使用するのはアリだと思います。
でも、パフォーマンス向上は期待しないでくださいね。

どちらかというと着圧ウェアは疲労回復という点で効果がありそうなので、使い方に気をつけましょう。

それでは!

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