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フルマラソンでタイムを縮める5つの方法(キプチョゲ選手の1時間59分40秒のレースを科学する)

写真:Shutterstock.com

フルマラソンのタイムを短縮したい人
「フルマラソンでタイムを縮めるために、毎日ハードに練習しているけど、なかなかタイムが縮まらない。どうしたらタイムを縮めることができますか?」

こんな疑問に答えます。

こんにちは。キクチです。

先日、ケニアのキプチョゲ選手(34)が、フルマラソン1時間59分40秒のタイムで走りました
こちらは公認記録とはならないのですが、とても興奮したレースでしたね。

なぜ、キプチョゲ選手がフルマラソンで2時間を切れたのか、分析してみました。

キプチョゲ選手のトレーニングによるところが大きいと思うのですが、それ以外にこのレースから気づいたことが5つありました

フルマラソンでタイムを出すなら、Nikeの厚底シューズ

写真引用:Nike

今回のキプチョゲ選手のレースで気になったのが、キプチョゲ選手のシューズ
白のシューズでナイキ製のものだと思うのですが、今までに見たことがないシューズでした。

どうやら、Nike社が開発しているヴェイパーフライをさらに進化させた新シューズのようです。

まだ、日本では発売されていないみたいですが、発売されたらすごい人気が出そうですね。

そして、ペースメーカーの選手はNike ヴェイパーフライ NEXT%(ピンク)

先日、国内で行われた東京オリンピックのマラソン代表選考レース(MGC)でも、ほとんどの選手が履いていたものと同じモデルですね。

現在、国内で手に入る最高のパフォーマンスを発揮できるシューズがこのNike ヴェイパーフライ NEXT%(ピンク)と言って良さそうです。

写真引用:Nike

キプチョゲ選手が使用していたBreaking2 ランニングスリーブは日本でもかなり人気ですよね。

フルマラソンでタイムを出すなら、シンプルなフラットコース

写真引用:WIRED

今回のコースがどんなものか見てみたら、とてもシンプルでした。

スタート直後にまっすぐ走り、その後は1周約9.5kmのコースを4.4周するだけ

です。

周回コースってことは、折り返しが多いのではないか?

と思ったら、緩やかなカーブで折り返せるようになっており、とても走りやすそうなフラットコースです。

写真引用:WIRED

また、風の影響を少しでも軽減できるようにと、木に囲まれたコースに設定したようです。

ここからわかることは、フルマラソンで記録を狙うなら、

  • できるだけフラットコース
  • 風の影響が少ない
  • 折り返しが少ない

以上の条件に近いコースを選ぶといいのではないでしょうか?

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フルマラソンでタイムを出すなら、気温と湿度にも気を配りましょう


今回、キプチョゲ選手が走った日は天気にも恵まれました。

オーストリア・ウィーンで行われたのですが、スタート時の天気が

  • くもり
  • 気温:9℃
  • 湿度45%

だったんです。

この天気がタイムを狙う上で、とてもいいコンディションでした。

マラソンは気温や湿度の影響を受けやすいスポーツって知ってましたか?

ランナーの方は体感でわかると思うのですが、もっとも走るのがきつい季節はまちがいなく「夏」です。

冬は寒くて、走りに行くまでは億劫な気持ちになりますが、走り出すと意外とサクサク走れます

2012年、フランスのパリから出ている論文では、2001年から2010年までに開催された6つのマラソンレースに出場した179万人の結果をまとめてくれています。

6つのマラソン大会はこちらです

  • ベルリンマラソン
  • ボストンマラソン
  • シカゴマラソン
  • ロンドンマラソン
  • ニューヨークシティマラソン
  • パリマラソン

下のグラフはそれぞれの大会の完走者とリタイアしたランナーを示しているのですが、2007年のシカゴマラソンだけ明らかにリタイアしたランナーが多いですよね。

実は2007年のシカゴマラソンは気温が25℃とコンディションが厳しかったようです。

そして、こちらのグラフからは2007年のシカゴマラソンだけ、他の大会と比べると明らかに完走タイムが遅いことがわかります。

  • 2002年 シカゴマラソン:5.4℃
  • 2007年 シカゴマラソン:25℃
  • 2002年 パリマラソン:7.6℃
  • 2002年 パリマラソン:17.4℃

女性よりも男性の方が気温による影響を受けやすいようなのですが、どうやら3.8〜9.9℃で開催されたマラソンのタイムがよかったみたいです。

参考文献

Impact of Environmental Parameters on Marathon Running Performance

今回、キプチョゲ選手が走ったオーストリア・ウィーンの気温は9℃だったため、タイムを狙ううえでもとても適した天気となったようです。

もし、あなたが「マラソンのタイムを早くしたい!」と考えているのであれば、3〜9℃で走れるマラソンにエントリーしてみましょう
日本だと、開催地にもよりますが、だいたい12月〜3月あたりになるかと思います。

標高が低いフルマラソンでタイムを狙いましょう!


これはわかったことというより、僕の1つの仮説として、

ケニアやエチオピアのマラソンランナーが強い理由は、標高が高いところで生活しているからなのでは?

と考えています。

と言いますのも、2019年にノーベル医学生理学賞をとった「低酸素応答」がヒントになっています。
標高が高いということは、酸素が薄いところで生活をしているはずですよね。

人間は酸素が薄い状況だと、赤血球をより多く作る機能を持っているみたいなんです。
赤血球が増えると、より多くの酸素を体内に運ぶことができるためマラソンのパフォーマンスを向上することができる。

という、理屈です。

低酸素トレーニングについてはこちらの記事に書きました。

キプチョゲ選手は普段ケニアで生活をしているみたいなのですが、ケニアの首都ナイロビの標高は1,795mのようです。

富士山の御殿場口新五合目の標高が1,440mなので、それよりも高い場所で練習していると考えると、かなり心肺能力も鍛えられそうですよね。

ここから言えることは、生活の環境を標高が高いところに移しましょう!ということではなく、標高の高いレースで記録を狙うのは難しいんじゃないか?と考えています。
国内レースの場合はそこまできにする必要はないのかもしれませんが、海外レースに参加する場合は標高も気にしてエントリーしてみるとよさそうです。

ちなみに富士山マラソンのスタート地になっている河口湖の標高は833mみたいです。
景色はきれいみたいなので、どなたか標高高いところでフルマラソン走ってみて、その違いを教えてください(笑)

タイムを狙うなら、ペースメーカーが設置されているフルマラソン!


今回のキプチョゲ選手の快挙にはペースメーカーの恩恵がとても大きいと思います。
日本からも旭化成の村山紘太選手が参加していましたね。

なぜ、ペースメーカーが大事かというと、

空気抵抗を減らせるからです

人間は前に進む時に空気抵抗を受けながら進んでいるのですが、ペースメーカーに前や後ろを走ってもらうとその空気抵抗を軽減できるみたいなんです。

実は、ランナーの風よけに関する論文がありまして、

キロ3分45秒のペース(フルマラソン:2時間38分13秒)で走っている時、誰かの1m後方で走ることでエネルギーコストを7.5%も抑えられる

という結果が出ています。

また、他の論文では複数人のペースメーカーがいる場合は、前方と後方をそれぞれペースメーカーに走ってもらうと空気抵抗の軽減にかなり効果的だと言っています。

この場合、論文によると空気抵抗を89%も抑えられるらしいので、集団の真ん中でずっと走っていたキプチョゲ選手はかなりペースメーカーに助けてもらったと言えるでしょう。

参考サイト

マラソンにおける風よけの効果は絶大だぞ。

参考文献

The influence of wind resistance in running and walking and the mechanical efficiency of work against horizontal or vertical forces
マラソンペースメーカーの主ランナーに対する空力影響

安定したペースメイキング

また、今回キプチョゲ選手はペースメーカーに前方と後方を挟んでもらって走っていたのですが、そのペースメーカーはほとんど時計していなかったんですよね。
なぜなら、その前に先導する車がおり、走るペースは先導者のドライバーがしっかりコントロールしてくれていたようです。

そのため、とても安定したラップを刻んでいました。

ペースのアップダウンがないと、それだけで身体的な負担が軽減できるため、ドライバーさんもGood job!ですね。

それにしても、ペースメーカーが全員Nike ヴェイパーフライ NEXT%(ピンク)を履いていたのが面白かったですね。

やっぱりそれだけいいシューズなんでしょうね。

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まとめ

キプチョゲ選手の1時間59分40分は本当に快挙ですね。
ご本人も「限界なんてない!」とお話しされていますので、僕もしっかり走りたいと思います。

それでは!

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